家賃滞納問題に直面されたことのあるオーナーさんであれば,家賃保証会社の導入を一度は検討されたことがあるのではないでしょうか。

家賃保証会社とは,滞納保証会社とも呼ばれ,建物賃貸借契約と同時に保証契約を締結し,賃借人の家賃滞納が生じた際に家賃の立替払い等を提供する会社のことです。

不動産管理会社が提供するサブリースとは違います。

サブリースとは,物件が空室であるか否かに拘わらず家賃の80%程度をオーナーさんに保証するものですが,家賃保証会社の提供するサービスは家賃滞納が前提で,滞納が起こった際に,保証会社所定の方法で連絡をすれば,原則100%立替え払いが受けられるサービスです。

では大家さんにとっての保証会社導入メリットはなんでしょうか。

まずは家賃滞納リスクを負わずに済むことです。

保証会社との契約をしてもらっておけば,万一滞納が起こっても,速やかに保証会社に連絡しておけば立て替え払いを受けることが出来ます。

もちろん,これは通常のとおり連帯保証人をつけておけば同じことともいえますが,一個人が連帯保証するのと業としてやっている会社が連帯保証するのとでは資力や立替え払いの迅速さに大きな違いがあります。

次に,万一明け渡し訴訟が必要となった場合に費用負担は保証会社がしてくれることも大きなメリットです。

明け渡し訴訟は,大家さんにとっては大きな負担になるものです。

強制執行により明け渡しを実現するところまでやるとすると,大家さんの負担する費用の総額は50万円を超えることが多いでしょう。

その費用の一切を保証会社が負担(保証範囲によっては一部大家さん負担であったり,全額大家さん負担の場合もあり得ます)してくれますので,大家さんにとっては非常に心強い存在ですね。

では保証会社導入のデメリットはどうでしょうか。

まず,保証会社のみを連帯保証人として契約を結んだ場合,保証会社が倒産してしまった場合に連帯保証人がいない状態になってしまうということです。

大手の保証会社を選んでおけば安心だという方もおられるでしょうが,大手ということは,立替額も大きいということでもありますから,過信は禁物です。

実際に,かなり以前の話ではありますが,当時業界最大手といわれていたリプラスという保証会社が倒産し,保証が履行されなくなって困った大家さんが多数出ています。

この事件のせいで保証会社アレルギーになった大家さんも相当数いらっしゃるようです。

また,もうひとつのデメリットは,保証会社の利用を必須の入居条件としてしまうと思うように入居が決まらないということです。

保証会社の利用というには入居者にとってのメリットはほぼありません。

初期費用が増加するばかりか,保証会社に対して毎年更新料を支払う必要があることがほとんどなのでその実情を知っている人は保証会社の利用が必須となっている物件は敬遠する傾向があります。

その結果,類似の条件の他物件に入居者を取られてしまい,なかなか契約が決まらないということが起こるのです。

もちろん,全ての案件がそうなるわけではありませんが,そういう傾向もあるということを知っておくべきでしょう。

本日は保証会社導入のメリットデメリットについてご紹介いたしました。

ここでご紹介したのはよくある事例の一部であり,実際には各保証会社によりサービスは異なるわけですから,ここで紹介した以外のメリットデメリットも多数考えられます。

「不動産屋さんに勧められたから」と安易に利用を決めてしまうよりもご自身で保証範囲やその保証会社の財務状況などをしっかり見極めてから利用されることをお勧めいたします。