皆様,「緊急連絡先」は活用していますか。
緊急連絡先とは,連帯保証人とは別の親族の方などの連絡先のことであり,有事の際の連絡先です。
もちろん,緊急連絡先の方には債務を肩代わりする義務などありません。
ですから,連帯保証人がついているのに無理に別の連絡先を求める必要はないのかもしれません。
しかしいざ家賃滞納や夜逃げが起こったとき,そして本人と連帯保証人の双方が全く連絡つかないという状況の場合に緊急連絡先は思わぬ効力を発揮してくれることがあります。
大家さんにとって夜逃げというのは非常に困ったものですが,特に困るのが家財道具を置いて出て行く夜逃げです。
これをやられてしまうと勝手に明け渡しが出来ないですから,なんとか本人を探し出すかあるいは裁判をやって強制執行により明渡しを実現するということになります。
かなり無駄なコストがかかってしまうわけです。
こうした際に緊急連絡先として親族等を押さえておくと,その方が本人とうまく連絡を取って残置物を出してくれる場合があります。
滞納分はどうにもならないかもしれないけれど荷物くらいはなんとかしなさいと話をつけてもらうというわけです。
もちろん家賃もしっかり払ってくれればいうことはないですが,そこまで求めたことで逃げられてしまっては元の木阿弥ですから家賃は二の次です。
最低限緊急連絡先を通じて本人から解約届や残置物の処分に関する委任状が取れれば,訴訟にするなどの無駄な出費は避けられます。
このように緊急連絡先は滞納トラブルが起こった際に役立つことがありますので,出来れば入居申込書のひな形に項目を加えておくことをお勧めします。