夜逃げというとテレビや漫画の世界の話にようですが,家賃滞納の末の夜逃げというのは意外に多くあります。

大家さんなら誰でも経験するというものではありませんが,管理戸数の多い方は何度か経験しているのではないでしょうか。

今日はこの夜逃げをされてしまった場合の話です。

室内を確認して全ての荷物が無くなっていれば問題はないのですが,残っている場合は対処方法は大家さんによって分かれる様です。

いくつかご紹介します。

建物明渡請求訴訟を起こす

一番固い方法です。
入居者に無断で残置物を処分したり別の場所に搬出してしまったりすると,後にその入居者から連絡が来た場合に損害賠償請求リスクを負うことになります。
特に悪質な者になると,後から連絡をしてきて「高価な貴金属がなくなった」「現金100万円がなくなった」などと言い掛かりをつけてくることもありますから要注意です。

緊急連絡先の方に荷物を引き取ってもらう

連帯保証人がいればその方に対応してもらえば済む話ですが,夜逃げをするような人の保証人はまともな人でない可能性が高く,全く連絡が取れなかったり,連絡が取れたとしても知らぬ存ぜぬを決め込まれたりということが多くあります。
このような場合に備えて保証人とは別に緊急連絡先を聞いている大家さんは,そこと連絡を取って荷物の引き取りをお願いするという手があります。
保証人ではないので滞納賃料を支払ってくれという話は出来ませんが,困っているので荷物だけ引き取ってくれないかとお願いすると意外に引き取ってくれることがあります。

残置物の内容をリスト化しておき,一定期間保管する

入室を第三者も交えて行い,室内の様子や残置物の内容が客観的に分かるように動画などで撮影し,残置物の内容をリストにしておきます。
こうすることにより後の損害賠償リスクを低減させるのです。
もっともこれは自力救済にあたりますからおすすめは出来ません。

住民票が動くまで待つ

夜逃げ後に相手の住民票を定期的に確認し,動いていたらそこへ連絡を取ります。
そして,本人に処分してもらうか残置物の処分に関する委任状を取得し,大家さん方で処分するのです。
夜逃げ者は意外に県内に転居していることも多いのでこの方法で連絡が取れれば費用があまりかからず片付くことがあります。
また,住民票ではなく戸籍の附票を取得して,本籍地や前住所に連絡をとって繋がるというケースもあります。

 

 

以上,夜逃げ時の対応をいくつかご紹介しました。

弊所としては最も正当である裁判による方法での解決をおすすめしますが,コスト面から選択しずらいことも事実です。

しかし,自力救済等のリスクある方法をとってしまうと後に滞納家賃以上の請求を受けることになりかねません。

ここは,本人や本人に近い方と連絡を取る方法を模索しつつ,どうしても不可能な場合は裁判により明渡を実現するというのが一番賢明な方法といえそうです。

なお,夜逃げにはほぼ必ず兆候のようなものがあります。

滞納段階から入居者と密に連絡を取って情報収集に努めておけば回避できることも多いので,家賃滞納を甘く見ずにしっかりを大家業を行うことも重要です。