このような悲惨なニュースがありました。

母親が中2の娘殺害か 2年以上家賃滞納 無理心中図る?

24日午前11時10分ごろ、千葉県銚子市豊里台の県営住宅の一室で、住人の中学2年、松谷可純さん(13)が布団の上で倒れているのを、建物の明け渡しのために訪れた千葉地裁八日市場支部の執行官が発見し、110番した。 駆け付けた消防や警察官が現場で死亡を確認。首に絞められた痕跡があり、同居する40代の母親が「一緒に死のうと思った」と話し、殺害を示唆していることから、県警は無理心中を図ろうとしたとみて、殺人容疑で逮捕する方針。 県警によると、母親は松谷さんと2人暮らしで、2年以上家賃を滞納していたという。(msn 産経ニュース 平成26年9月24日http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140924/crm14092417080015-n1.htm)

県営住宅の話なので一般の大家さんとは若干話が違いますが,適正な手続きを執って進めていたとしても,建物明渡しとは,要は相手の住むところを奪う手続きであるわけですから,その後の生活手段の確保など最低限の配慮は必要ということでしょう。

もちろん,大家さんにはそうする義務など全くありませんが,無機質に法的手続きを進めるだけでなく,血の通った話し合いを重ねることによってお互いに納得のいく退去が出来る場合もあります。

そうすると,お互いに遺恨を残すことなく紛争が解決出来ますし,大家さんも無用な(強制執行などの)コストの支出を避けることが出来ます。

当事務所では,迅速な法的手続きにより早期明渡しを目指すと共に,任意交渉も同時に行って話し合いの場を持つようにしています。

これにより,相手の立場(なぜ家賃を支払わないのか?支払えないのだとしたらその理由は?退去する意思はあるのかないのか?退去意思がないとしたらそれは何故なのか?)を書面だけのやり取りよりも的確にとらえることが出来,場合によっては相手にうまく配慮した形での解決が出来るのです。

例えば生活困窮が理由であれば役所の窓口へ同行して生活保護申請のサポートが出来ますし,借金に苦しんでいるのであれば法テラスの紹介や初期費用のいらない専門家の紹介などが出来ます。

家賃滞納者の中には自らの責任を棚に上げて大家さんを非難するような者もいますから,敵対的になってしまうことも頷けますが,どんなに揉めたケースであっても,相手の尊厳を傷付けたり徹底的に打ちのめしたりするようなことはせず,和解の途を残しておくことがこうした紛争の早期解決に繋がることがあるということを覚えておくべきでしょう。