10ヵ月もの家賃を滞納していた女性が,留守中に「追い出し」被害に遭ったとしてさいたま地裁に提訴したというニュース記事がありました。

留守中に家財を持ち出され,更に鍵を勝手に交換されたことなどにより損害を受けたとして,長野県内のアパートに住んでいた埼玉県川越市の女性が同県内の不動産業者を相手取り慰謝料など計約755万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたというのです。

女性は平成23年6月,埼玉県川越市の実家に帰宅するため4日間アパートを留守にしていたところ,その間に管理会社が家財道具一式を持ち出した上部屋の鍵を交換してしまったのだそうです。なお,家賃滞納は精神的な病を抱えていたことが原因であるとのことでした。

訴状では「鍵交換,荷物撤去はそれ自体が犯罪行為。原告のプライバシー権,居住権ないし生活の平穏を著しく害するものであって不法行為に当たることは明らか」とあるようです。

 

これは賃貸経営をされているオーナーさんにとっては決して他人事ではないはずです。

10ヵ月も滞納された上,700万円以上もの損害賠償請求をされたのではたまったものではありません。
全く一方的で理不尽な仕打ちの様にも思えます。

しかし,これはオーナーさんや管理会社の対応ミスが最大の原因です。

家賃滞納が10ヵ月あろうが20ヵ月あろうが,留守中に勝手に家財を運び出していいわけがありません。

滞納者に出て行ってもらいたいのならば,滞納初期から交渉を始めて,任意に退去してもらうか,さもなくば建物明渡請求訴訟を提起し,強制執行を経て退去させるようにせねばなりません。
上記手順を踏まずに,強制的に鍵交換等をして追い出してしまえば,損害賠償等の民事上の責任を負う可能性が極めて高いといえます。

滞納問題をいい加減に扱うと,このように取り返しが不可能な大きな事件に発展してしまうことがあります。

こうした事件があなたの身に降りかかる可能性を最大限に減らすためには,あなた自身が知識を付けていく必要があります。

また,こうした問題の際には,不動産屋さんを信頼しすぎるのは禁物です。

不動産屋さんは不動産に関する集客や管理についてはもちろんプロなのですが,法律問題についてはそうではありません。したがって,対応を誤ることがありますし,対応に誤りがあったとしてもその責任を被るのはあなたであったりします。

家賃滞納は法律問題です。

法律問題は弁護士や認定司法書士という法律の専門家に任せるべきでしょう。