とある物件に滞納家賃の回収に伺った際の話です。

滞納は既に2ヵ月,大家さんが電話で督促した際には「すぐに払います」と言ったきり連絡が取れなくなったそうです。

このような方にしつこく電話をしたり書面を送るだけではなかなか反応が得られません。

やはり出来れば物件に直接足を運ぶべきです。

物件につくと明かりが灯っており,電気メーターも高速で回っていて在宅の様子。

インターホンを鳴らしてみるが無反応。

ここもどうやら居留守を使うようです。

このような場合,1ヵ月の滞納であれば,手紙を置くなりして居留守には目をつぶって帰るところですが,2ヵ月以上の滞納となれば話は違います。

最悪の場合このまま夜逃げするかも知れない相手をこのまま逃がす手はありません。

ここはドアをノックしつつ呼びかけて対応します。

インターホンをただ押すだけよりも,やはり名乗って呼びかけることが遥かに効果的です。

余程悪質な滞納者でない限り居留守を止めて出てきます。

今回も料理をしてて気が付かなかったといいながら出てきてくださいました。

なお,居留守を使われたからといって

「家賃を払ってください」

とか

「滞納分の話し合いに来ました」

などと大声で呼びかけてはいけません。

また,家賃を払ってください等と張り紙することも避けてください。

場合によっては大家さんが不法行為として損害賠償請求されるリスクを負うことになります。

入居者と会えたら,まずは非難するのではなく安否を気遣ってください。

相手は家賃を払っていないのだからそれを咎められるのは分かっています。

それをのっけから取り上げて糾弾するのではまとまる話もまとまりません。

それよりも「連絡が取れなくなったから何かあったかと思って心配したよ」と言ってあげる方が後の交渉上有利です。

さて,挨拶を終えたらまずは現在の状況を聞き出し,滞納の真の理由を明らかにします。

今回は,職場が変わったことにより給料日にズレが生じたことと手取り収入が減ったことが理由でした。

ここで新勤務先の連絡先や給料の額,支給日などとをしっかり聞き出しておきます。

また,名刺があればもらっておき,給料の明細なども見せてもらうようにします。

そして,全額回収の目途が立たない場合はすぐに連帯保証人と連絡を取ります。

通常,入居者はこの段階で連帯保証人に連絡されることを嫌がりますが,すぐに滞納が解消されない場合は本人が目の前にいる状況で一度保証人と連絡を取るべきです。

保証人によっては,数ヵ月の滞納になってから連絡をすると「なんでもっと早く連絡してこないんだ。そんな額は払わない」と開き直る人もいますので,すぐに滞納が解消されないケースは早めに連絡を取っておくべきなのです。

今回は本人から保証人である父親にその場で電話してもらいました。

そして代わってもらい,家賃が2ヶ月払われていないと伝えたところ,「明日1ヵ月分は支払います」とのお言葉を頂き事実入金されてきました。

もう1ヵ月分と翌月分は本人の給料日にまとめて入金するというので7日程お待ちし,無事入金されたのでこの件は解決となりました。

この様に書くと簡単に簡単に解決出来てしまうようですが,相手の状況の見極めやそれに即した対応を行うにはある程度の経験が必要です。

また,大家さん自身が交渉したのでは難航するケースでも専門家等の第三者を入れるとスムーズにいくということがあります。

いずれにせよ,今回は滞納2ヵ月となってすぐに対処したことが奏功して良い結果を得られました。

3ヵ月4ヵ月の滞納となってからではすぐに全額入金して滞納解消とはいかないことがほとんどです。

家賃滞納は初動が肝心ということを改めて思わされた案件でした。